COLUMN
ゴルフ初心者が身につけたい上達コラム

力まず飛距離を伸ばす|ドローボールの打ち方について解説
ゴルフにおいてドローボールは、飛距離と戦略性を生み出せる、頼れるショットの1つです。
ゴルフを始めたばかりだと、「飛距離が出ない」「どうしてもスライスしてしまう」といった悩みから、ドローボールについて意識し始めることも多いのではないでしょうか。
この記事では、ドローボールの特徴とメリットから、その打ち方と練習方法まで詳しく解説します。
【目次】
ドローボールの特徴とメリット
ランが出て飛距離が伸びやすい
力まず飛ばせるスイングになりやすい
アゲンストに強く、飛距離が落ちにくい
コース戦略の幅が広がり、スコアメイクが有利に
ドローボールを打つための4ステップ
グリップ:左手をかぶせ気味に握る
アドレス:目標より少し右を向く
ボール位置:いつもよりボール1個分右足寄り
スイング意識:ボールの右側面を押し出す
ドローボールを打つ練習方法
ハーフスイング練習
ボールの先に目印を置く練習
ドローボールをうまく打てない場合の対処法
左に曲がりすぎる場合
右に真っ直ぐ飛んでいってしまう場合
クラブが変わると打てなくなる場合
どうしてもうまくいかない場合
まとめ
ドローボールの特徴とメリット
ドローボールとは、ターゲットライン(打ちたい方向)よりやや右に打ち出され、そこからターゲット(目標地点)へ向かって緩やかに左に曲がって飛んでいく打球のことです。緩やかに右に曲がる球筋はフェード、強く左に曲がる球筋はフック、強く右に曲がる球筋はスライスと呼ばれます。
ここではそのドローボールの特徴とメリットについて解説します。※この記事では右打ちが基準です。左打ちの場合は反転させて考えてください。
ランが出て飛距離が伸びやすい
ドローボールは、総飛距離が伸びやすいという最大のメリットがあります。これはフェードボールと同じヘッドスピードで打った場合でも、バックスピンが少ないためです。
バックスピンが多いと、弾道が高く上がりやすい上に、着地後に後ろへ戻っていくような力が働きます。その場合はコントロールしやすいものの、ラン(着地後の転がり)が犠牲になりがちで、飛距離は伸びにくくなります。
一方、バックスピンが少ないドローボールは、弾道が低く抑えられ、着地後に後ろへ戻っていくような力もあまり働きません。そのぶんよく転がるため、飛距離は伸びやすくなります。
力まず飛ばせるスイングになりやすい
ドローボールは、「インサイドアウト」と呼ばれるスイング軌道が重要になります。
インサイドアウトとは、クラブヘッドが飛球線の内側(インサイド)からボールに接触し、打球後に外側(アウトサイド)へ振り抜かれていく軌道のことです。実現すると、自然とボールのドロー回転(右から左への回転)を生み出せます。
インサイドアウトは、基本的に力んでいるとあまりうまくできない技術です。そのためドローボールを打つこと自体が力みの修正につながり、結果としてよく飛ぶスイングになる場合があります。
アゲンストに強く、飛距離が落ちにくい
ドローボールは、ボールを前へ進ませようとする力が強く、スピン量が比較的少ないため、風に吹き上げられにくいという特徴もあります。
バックスピンの量が多いと、アゲンスト(向かい風)に当たった際高く舞い上がり、大きく飛距離をロスしてしまいます。風の強い日はこの差が大きく、無視できません。そんなとき、ドローボールが安定して打てると、頼れる選択肢になります。スコアを安定させ、他のゴルファーと差をつけることも可能です。
コース戦略の幅が広がり、スコアメイクが有利に
ドローボールを意図的に打てるようになると、コース戦略の選択肢が格段に増え、スコアメイクを有利に進められるようになります。
ゴルフコースは、常に真っ直ぐではありません。例えば、左に曲がっている「左ドッグレッグ」のホールもあります。その場合、ドローボールが打てるのであれば、木を回り込むように打つことで、大幅なショートカットが可能です。また、フェアウェイの右サイドにバンカーや池などのハザードがある場合、ドローボールでフェアウェイの左サイドを安全に狙うといったマネジメントもできます。
このように「ボールを左に曲げる」という引き出しを持つことで、ゴルフはより戦略的で奥深いゲームになるため、ドローボールには大きなメリットがあるといえます。
ドローボールを打つための4ステップ
いつもの「グリップ(握り)」「アドレス(構え)」「スイング」をほんの少し変えるだけで、ドローボールは打ちやすくなります。
ここで、初心者にも真似しやすい4つのステップに分けて、ドローボールが打ちやすくなる方法を見ていきましょう。
グリップ:左手をかぶせ気味に握る
まず変えるべきはグリップです。左手の甲がいつもより少し上を向くように、かぶせ気味に握る「ストロンググリップ」を試してみてください。
この握り方をすると、スイング中にクラブフェースが自然に返りやすく(ターンしやすく)なります。この「フェースが返る」動きが、ドロー回転をかけるのに重要です。インパクトでボールをしっかりと捕まえた際、フェースがわずかに左側を向くため、ボールにドロー回転である左回転をかけやすくなります。
具体的には、アドレスした時に上から見て、左手のナックル(拳の出っ張り)が2〜3個見える程度が目安です。スライスに悩む人は多くの場合、逆にナックルが1つしか見えないような「ウィークグリップ」になってる傾向があります。
グリップはスイングの始点です。ここを変えるだけで球筋は驚くほど変わるため、意識しましょう。
アドレス:目標より少し右を向く
次にスタンス(足の向き)です。目標方向(ターゲットライン)に対して、少しだけ右を向いて構える「クローズスタンス」を作ってみてください。
クローズスタンスに構えることで、クラブヘッドをインサイドアウト軌道で振りやすくなります。これはスタンスの向きがスイング軌道のガイドラインとなり、自然とクラブが体の内側から下りてくる道筋を作ってくれるためです。
目安として、両足を結んだラインが、本来狙いたい場所よりも10〜15ヤード右を向くイメージで構えましょう。このとき、「スタンスは右、でも肩は目標方向」というのが理想ですが、最初は難しく感じるかもしれません。
もし難しければ、一度スタンスも肩も全部まとめて右を向いてみてください。そこから、おへそから上だけをゆっくりと目標方向に戻すと、よい形になります。顔と胸がターゲットを向いている状態が作れたらOKです。
ボール位置:いつもよりボール1個分右足寄り
ボールを置く位置も非常に重要です。普段構えている基本の位置より、ボール1個分右足寄りにセットしてみてください。
ボールを少し右足寄りに置くことで、自然とインサイドからクラブヘッドが入り、スイング軌道の最下点を通過する前に、ボールを捉えやすくなります。
ボール位置が左足寄りすぎると、クラブが外側から入りやすくなり(アウトサイドイン)、スライスの原因になります。このわずかな調整が、理想のインパクトを生み出すための大切なポイントです。
スイング意識:ボールの右側面を押し出す
最後の仕上げは、スイング軌道の意識です。これまでの3ステップで完成した構えから、「ボールの右後ろ(内側)からヘッドを入れて押し出していく」という意識でスイングしてみてください。
ボールを真っ直ぐ叩くのではなく、ボールの右側面をクラブフェースで押し出してあげるような感覚があると、ボールをしっかりと捕まえることができ、スライス回転の少ないきれいなドローボールを打ちやすくなります。
ポイントは決して腕力で振ろうとしないことです。体の回転に合わせてクラブが自然と内側から下りてくる感覚を大事にしましょう。
ドローボールを打つ練習方法
打ち方を理解したら、次は練習で身につけましょう。
ここではすぐに試せるドローボールの練習方法について紹介します。
ハーフスイング練習
フルスイングではなく、腰から腰までの振り幅の「ハーフスイング」でボールを捕まえる感覚を養うと、ドローボールの練習になります。
大きなスイングでは、力みが入ったり、他の間違った動作が出たりして、本当に意識すべきポイントがぼやけてしまいがちです。スイングを小さくすることで、フェースがボールに当たる瞬間の動きや、ボールの右側面を「押し出す」感覚だけに集中できます。
具体的には、時計の針でいう9時から3時までの振り幅で練習すると良いでしょう。ストロンググリップとクローズスタンスを忘れずに行ってください。最初はボールが弱々しく左に転がるだけでも問題ありません。右腕が左腕を追い越していくようなイメージで、フェースがしっかりとターンし、ボールが「カシュッ」という音と共に捕まる感覚を何度も体に覚え込ませましょう。
ボールの先に目印を置く練習
インサイドアウトの軌道をより明確に意識するために、ボールの先に目印を置いてスイングすると効果的です。
「インサイドアウト」という抽象的なイメージを、具体的な目標物を使って「可視化」することで、脳が正しいスイング軌道を認識しやすくなります。その上、目標物があると、クラブヘッドがどの方向に抜けていけば良いのかが一目瞭然です。再現性が格段に高まります。
練習方法は簡単です。まず、打つボールの30cmほど飛球線方向の、少しだけ右斜め前に、空のペットボトルや予備のボールなどの目印を置きます。そして、インパクト後にクラブヘッドがその目印の上を通過するようにスイングしてください。
スライスに悩む人は、無意識にクラブヘッドが目標の左側へ抜けていることがよくあります。この練習を行うことで、クラブヘッドが右斜め前に振り抜かれるインサイドアウトの動きが自然と身につくので、ぜひ試してみましょう。
ドローボールをうまく打てない場合の対処法
ドローボールを練習していると、思った通りに曲がらないことや、曲がりすぎてしまうことがよくあります。
ここでは、そういったよくある問題の対処法について紹介します。
左に曲がりすぎる場合
ボールが左に低く、強く曲がってしまう「チーピン」が出る場合、主な原因は「過度なフェースターン」または「極端すぎるインサイドアウト軌道」にあると考えられます。
ドローを意識するあまり、手首をこねるように使いすぎてフェースが必要以上に被ったり、インサイドアウトの軌道が強すぎてクラブが下から煽るように入ったりすると、ボールは左へ飛び出してしまいます。
この場合、まずはグリップを見直しましょう。ストロンググリップになりすぎて、ナックルが4つも5つも見えている場合は、少し緩めて2〜3個見える程度に戻してみてください。
また、スイング中に体の回転を止めず、腕だけでなく体全体でフィニッシュまで振り抜く意識を持つことが重要です。体の回転が止まると腕だけで操作してしまい、チーピンの原因となるため注意しましょう。
右に真っ直ぐ飛んでいってしまう場合
インサイドアウトで振っているつもりなのに、ボールが曲がらずにそのまま右へ真っ直ぐ飛んでいく「プッシュアウト」が出るのなら、原因は「インパクトでフェースが開いている」ことだと考えられます。
インサイドアウト軌道でスイングしても、インパクトの瞬間にクラブフェースが開いたままだと、ボールにドロー回転はかかりません。フェースが向いている右方向へそのまま飛んでいってしまいます。
そのため、まずはストロンググリップが正しくできているか再確認し、次にハーフスイングの練習をして、右手が左手を追い越していくフェースターンの感覚を体に染み込ませましょう。「ボールを目標に運ぶ」のではなく、「ボールを捕まえてから目標に飛ばす」という意識の転換が解決の鍵です
クラブが変わると打てなくなる場合
基本的にクラブごとにドローボールを打つ方法に大きな差はありませんが、特定のクラブでしか打てない場合は、クラブごとのスイング軌道の確認や、ボールを置く位置、フェースの向きなどの微調整が必要です。
特にクラブの特性上、アイアンの場合はダウンブロー(上から下へのスイング軌道)、ドライバーの場合はアッパーブロー(下から上へのスイング軌道)で打つことになります。この2つは各所にズレが生じやすく、「確認したら片方は意図したスイング軌道になっていなかった」ということも多いので気をつけましょう。
なお「アイアンであればドロー回転をかけやすい」と感じるゴルファーが多いようです。原因としては、「アイアンはボールを上から捉えるダウンブロー軌道で打つ都合上、ボールを右足寄り(中央寄り)に置きやすく、インサイドアウトの軌道が作りやすい」「ドライバーに比べてシャフトが短く、ボールを捕まえる感覚をつかみやすい」といったことが考えられます。
ドライバーでドローが打てない場合は、通常の位置(左足かかと線上が目安)よりボール1個分ほど右足寄り(中央寄り)に置いてみましょう。 これにより、クラブヘッドがインサイドからボールにアプローチしやすくなります。
また、アドレスの時点でフェース面をわずかにターゲットより左に向けておく「フックフェース」が有効な場合があります。ただし、これは引っ掛けのミスにもつながりやすいため、まずはボール位置の調整から試すことをお勧めします。
どうしてもうまくいかない場合
ドローボールは比較的習得が難しい部類の技術です。初心者が独学で身につけるのは困難な場合も多く、練習していくうちに悪い癖がついてしまうこともあります。
そのため、もし難しいと感じたのであれば、迷わずスクールなどでレッスンを受けることをおすすめします。
ひとりではうまくいかなかったことも、レッスンで聞けば的確なアドバイスをもらえて、効率良く修正できます。お困りの際はぜひ検討してみてください。
まとめ
ここまで、ドローボールの特徴とメリットから、その打ち方と練習方法まで解説しました。
ドローボールは比較的難しいものの、習得できればメリットの大きい技術です。初心者だと壁にぶつかってしまうことも多いかもしれませんが、うまく打てるようになれば、あなたのゴルフはもっと楽しくなります。
この記事を参考に、ぜひチャレンジしてみてください。