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ゴルフ初心者が身につけたい上達コラム

ゴルフの構え方完全ガイド|初心者でも理解しやすいポイントに分けて解説
ゴルフにおいて、「構え(アドレス)」はスイングに最も大きく影響する重要な要素です。ショットの成否はほとんど構えで決まってしまうとさえ言われています。
そのため、ゴルフを始めたばかりの方でも、正しい構え方をしっかり意識すれば、効率良く上達できます。
この記事ではその理由も含め、初心者でも理解しやすいようにポイントに分けて、ゴルフの構え方について解説していきます。
【目次】
構え方(アドレス)はゴルフの中で最も重要
ゴルフの構え方にある7つのポイント
スタンス
ボールの位置
前傾姿勢
膝の角度
腕の形
ボールとの距離
体重配分
正しく構えるには握り方も重要
どこで握ると良いのか
グリップをする際の両手の組み合わせ方
グリップを握る強さ
自宅でできるセルフチェック法
鏡やスマホで簡単にできる3つのチェック
初心者が陥りがちな3つの間違った構え方とその修正法
自分で修正するのが難しい場合は?
構え方(アドレス)はゴルフの中で最も重要
ゴルフにおいて、ボールを打つ前にゴルフクラブを構える動作をアドレスと呼びます。
アドレスは、その後のスイングに最も影響する要素です。毎回同じように構えることができれば、ショットは驚くほど安定します。
プロゴルファーが毎回同じ手順(ルーティン)で構えているのは、アドレスを可能な限り再現して、極限までショットの安定性を高めたいからです。結果に最も影響する以上、上達への近道は、正しい構え方を身につけることだと言えます。これから解説するポイントを一つひとつ意識して、安定したショットの土台を築きましょう。
ゴルフの構え方にある7つのポイント
正しい構え方は、7つのポイントに分けて見ていくと理解しやすくなります。1つずつ身体に染み込ませていきましょう。
※左右は右打ちが基準です。左打ちの場合は反転させて考えてください。
スタンス
スタンスの幅はクラブによって若干異なりますが、基本は「肩幅」です。そこからドライバーなど長いクラブの場合は靴一足分程度「広く」、ウェッジなど短いクラブの場合は靴半足分程度「狭く」調整しましょう。
肩幅より狭すぎると体がブレやすく、広すぎるとスムーズな体重移動が妨げられます。安定性と動きやすさのバランスが最も良い幅を意識することが大切です。
なお番手ごとに細かく決めたり、はっきりと「この幅でなければ」と決めたりする必要はありません。ドライバーのスタンスが肩幅より狭すぎる、ウェッジのスタンスが広すぎるといったことがなければ大丈夫です。繰り返し練習して、自分に合った幅を探してみましょう。
ボールの位置
ボールの位置はアイアンなら「スタンスの中央」、ドライバーなら「左足かかとの内側延長線上」が基本です。
各クラブは、スイング軌道の適切なポイントでボールを捉えることで、本来の性能(飛距離や高さ)を最大限に発揮できるように設計されています。
ゴルフのスイングは円運動であり、クラブヘッドが最も低い位置(最下点)を通過するのはスタンスの中央あたりです。そのため、ドライバーのようにアッパーブロー(ヘッドが上昇軌道でボールを捉える打ち方)で打つクラブは最下点を過ぎた左足寄りに、アイアンのように最下点かその手前で打つクラブは体の中央寄りにボールを置くのが合理的です。
前傾姿勢
前傾姿勢は「背筋を伸ばしたまま、股関節(足の付け根)からお辞儀をする」ように作りましょう。ドライバーの場合はアイアンよりやや深めにすると打ちやすくなります。
ゴルフスイングは、背骨を軸とした回転運動です。正しい前傾姿勢が作れないと、体の回転軸がブレてしまい、スイング軌道が不安定になります。特に背中が丸まった猫背の状態で構えるのはNGです。これでは背骨がスムーズに回転できず、手だけでクラブを上げる「手打ち」になったり、スイング中に体が起き上がったりして、ミスの原因になります。
コツとしては、股関節からしっかり曲げることを意識すると良いでしょう。背骨という軸がまっすぐ保たれ、その軸を中心に安定した回転運動が可能になります。
膝の角度
膝は軽く曲げ、極力リラックスさせて構えましょう。膝頭がつま先の真上に来る程度が目安です。そうすることで足の裏全体でしっかり地面を掴んで、スイング中の上下動や左右のブレを抑えることができます。
曲げすぎも、棒立ちも避けてください。膝が伸びきった「棒立ち」の状態では、下半身が不安定になり、スムーズな体重移動ができません。逆に椅子に座るように深く曲げすぎると、腰の回転が制限されてしまい、パワーをロスしてしまうので注意しましょう。
腕の形
腕は「力を抜いて、自然に垂らした位置」でグリップしましょう。両肘が軽く内側を向き、腕と胸で「きれいな三角形」ができるのが理想です。
腕に力が入っていると、体ではなく腕だけでクラブを振る「手打ち」になりやすく、スイング軌道が安定しません。正しい前傾姿勢を作った後、両腕を重力に任せてストンと真下に垂らしてみてください。その自然な位置でグリップするのが理想です。この腕と胸で作られる三角形をキープしたまま体を回転させることで、体幹を使った大きなスイングが可能になります。
ボールとの距離
ボールは、腕を自然に垂らしたときクラブヘッドを置いた場所にセットしましょう。「グリップエンドと体の間にこぶし1.5個〜2個分」のスペースが空くのが目安です。毎回同じ腕の位置で構えることで、自然とボールとの距離が一定になり、芯でボールを捉える確率(ミート率)が格段に上がります。
初心者にありがちなのが、ボールに合わせて自分が立ったり離れたりしてしまうことです。これでは毎回距離感が変わってしまい、ミスの大きな原因になります。
自分の構え(スタンス、前傾、腕の位置)を決め、その結果としてクラブヘッドが自然に届く場所にボールを置くようにしましょう。
体重配分
体重は「左右均等(5:5)」にかけ、「足の裏全体、やや母指球(足の親指の付け根のふくらみ)寄り」で地面を感じるのが基本です。ドライバーの場合「右6:左4」の意識が必要とも言われていますが、最初は意識しなくても問題ありません。
もし構えた時点から右足に体重が乗りすぎていると、バックスイングで体が右に流れすぎる「スウェー」の原因になり、かかとやつま先に体重が偏ると、スイング中に体が前後にブレてしまいます。足裏全体(特に母指球)で地面をしっかり掴むことで、安定した始動ができ、効率的なエネルギー伝達の準備が整うので、しっかりと意識しましょう。
正しく構えるには握り方も重要
握り方(グリップ)が間違っていると、正しい構え方をしても違和感が出てくることがあります。「おかしいな」と感じた場合は、この機会に見直してみましょう。
どこで握ると良いのか
グリップは、手のひらで鷲掴みにするのではなく、「指の付け根から指先にかけて」握るのが基本です。これを「フィンガーグリップ」と呼びます。
もし手のひら全体でベタっと握る「パームグリップ」をしてしまうと、手首がガチガチに固まり、飛距離を生み出す源である「コック(スイング中の手首の折れる動き)」が使えません。その点フィンガーグリップなら、手首を柔らかく使えます。ムチのようにクラブをしならせる感覚が生まれ、より大きなスイングへと繋がるので、グリップする際は意識してみてください。
グリップをする際の両手の組み合わせ方
グリップをする際の両手の組み合わせ方には、大まかに以下のような3つの種類がありますが、どれが絶対的な正解というわけではありません。自分の手の大きさや力に合わせて「最も一体感が出てしっくりくるもの」を選びましょう。
オーバーラッピンググリップ: 右手の小指を左手の人差し指の上に乗せる、最もポピュラーな握り方。方向性が安定しやすいのが特徴です。
インターロッキンググリップ: 右手の小指を左手の人差し指と中指の間に絡める握り方。一体感が強く、手の小さい方や女性に向いています。
テンフィンガー(ベースボール)グリップ: 10本の指すべてをグリップする握り方。最も力が入りやすく、初心者や非力な方に適しています。
グリップを握る強さ
グリップを握る強さ(プレッシャー)は、「生卵が割れない程度」の力加減を目指しましょう。全力で握るのを10とすると、「3〜4」くらいの強さが目安です。
強く握りすぎると腕や肩にまで余計な力が伝わり、体全体のスムーズな回転を妨げ、スイングを台無しにしてしまいます。
難しく感じる場合はアドレスで一度ギュッと握り、そこからフッと力を抜くよう意識してみてください。理想的な力加減を見つけやすくなります。
自宅でできるセルフチェック法
正しい構えを体に染み込ませるには、客観的なセルフチェックが欠かせません。ここでは、あなたが陥りがちなNG例を学び、正しい構えを自分で確認・修正するための具体的な方法を紹介します。
鏡やスマホで簡単にできる3つのチェック
自分では真っ直ぐ構えているつもりでも、無意識のうちに傾いたりズレることが多いため、第三者の視点(鏡やカメラ)で確認することが最も効果的です。
自分の姿を写した状態で、「正面からのバランス」「後方からの姿勢」「足元からのアライメント(目標に対する体の向き)」の3つをチェックして、構えのズレを客観的に把握してみましょう。
正面からのバランス: 頭、胸の中心、ベルトのバックルが一直線になっているかチェック。
後方からの姿勢: 背筋がピンと伸び、股関節からしっかり前傾できているかチェック。
足元からのアライメント: つま先のラインと肩のラインが、目標方向に対して平行になっているかチェック。
初心者が陥りがちな3つの間違った構え方とその修正法
「猫背・棒立ち姿勢」「手元が体に近い・遠い」「目標に対して正しく立てていない」の3つが、初心者に最もよく見られる間違った構え方です。
これらはスイングの根本的なエラーに直結し、あらゆるミスショットの原因になります。もし当てはまっていたら、次のような簡単な修正法を試してみましょう。
NG例①:猫背・棒立ち姿勢
修正法: 壁にお尻をつけた状態で立ち、お尻が壁から離れないようにお辞儀をしましょう。正しい股関節からの前傾感覚がわかります。
NG例②:手元が体に近い・遠い
修正法: 正しい前傾姿勢をとり、両腕の力を抜き、だらりと垂らした位置でグリップを握る練習を繰り返しましょう。余計な力が抜けて、手元が自然と正しい位置に近づきます。
NG例③:目標に対して正しく立てていない
修正法: 練習場で、足元とボールの先にクラブなどを2本、線路のように平行に置き、この「線路」に沿って構えましょう。繰り返すことで、正しい方向感覚が養われます。
自分で修正するのが難しい場合は?
ここまでセルフチェックの方法をご紹介しましたが、初心者のうちは自分ひとりでズレを判断し、正しく修正することは簡単ではありません。
そのため、もし「これで合っているのかな?」と不安に感じたり、難しいと感じたりしたら、ひとりで悩まずに専門家を頼ってみてください。
最近では、撮影した動画を送るだけでアドバイスをもらえるアプリもあります。ゴルフスクールで一度コーチに見てもらうのも良いでしょう。
客観的な視点と的確なアドバイスが、あなたの上達を力強くサポートしてくれます。
まとめ
ゴルフ上達の近道は、正しい構え方を身につけることにあります。
まだ始めたばかりで難しいと感じる場合でも、この記事を参考に、ポイントごとに分けて練習してみてください。グリップの握り方や姿勢を少し修正するだけでも、あなたのスイングは大きく変わるはずです。
綺麗な構えができると、コースに応じた様々な技術の習得も早くなって、ゴルフがもっと楽しくなります。ぜひ意識してみてください。