COLUMN
ゴルフ初心者が身につけたい上達コラム

ドライバーの打ち方|初心者でもわかりやすい上達のポイントと練習方法を解説
ゴルフを始めたばかりだと、「アイアンはうまくいくけど、ドライバーは苦手」「もっとドライバーで飛ばしたいけど、力が無くて飛ばない」といったお悩みを抱えることも多いと思います。
ドライバーは飛距離を求められるショットなので、そのぶん大きく曲がったり、飛ばなかったりして、難しく感じるかもしれません。しかし、ポイントを押さえて正しい打ち方を理解すれば、力が無くとも楽に、真っ直ぐ遠くへ飛ばすことも十分可能です。
この記事では、ドライバーの仕組みからアプローチし、初心者でもわかりやすいような上達のポイントと練習方法を解説していきます。
【目次】
ドライバーの打ち方①アイアンとの違いを理解する
特徴と役割
ティーアップ
ブロー
ボールを置く位置
ドライバーの打ち方②正しいアドレスの作り方を理解する
スタンス
体重配分
グリップ
前傾角度
逆K字型
ドライバーの打ち方③力まずヘッドを走らせるスイングを行う
バックスイング
切り返し
インパクト
ドライバーがうまくなる練習法3選
軽いものと重いものを交互に振る練習
ハーフショットドリル
ストレート〜ドローボールを打つ練習
まとめ
ドライバーの打ち方①アイアンとの違いを理解する
ドライバーショットをマスターするには、まずドライバーとアイアンの違いについて理解することが大切です。
ここでは、その違いについてポイントごとに丁寧に説明していきます。
※なお、この記事では左右については右打ちの方を基準としています。左打ちの方は反転させて考えてください。
特徴と役割
ドライバーは、ゴルフで使うグラブのなかで最も遠くへ飛ばせるクラブです。ラウンドでは基本的に1打目のティーショット(ティーという逆円錐形の小さな台を地面に刺したあと、その上にボールを置いてから打つショット)で使います。
遠くへ飛ばせるだけに、アイアンよりも打った球がスライス(大きく右側へ曲がる)してしまう、またはフック(大きく左側へ曲がる)しやすい性質があります。
ティーアップ
ティーアップとは、ティーによってボールを地面より少し高い位置に置くことです。ドライバーは、ヘッド(フェース)の中心、最もボールが飛ぶ「スイートスポット」が、アイアンよりも高い位置に設計されているクラブなため、ティーアップすることで初めてその性能を100%発揮できます。
もしティーアップせずに地面から打つと、このスイートスポット部分でボールを捉えられません。適切な高さにティーアップし、アッパーブローで振り抜いてこそ、ヘッドが上昇する軌道とスイートスポットの高さが一致し、クラブが持つ本来の飛距離性能を最大限に引き出すことができます。
ブロー
ブローとは、クラブのヘッドがボールを打ちに行く際の軌道のことです。ドライバーは、ボールを「下から上へ」とすくい上げるように打つアッパーブローが求められます。
アイアンは通常、地面のボールを正確に狙うため、ヘッドが上から下(ダウンブロー)に動く軌道の途中でボールを捉えます。しかし、ドライバーはティーアップしたボールを打つため、その必要はありません。より遠くへ飛ばすために、スイングの円弧が一番下(最下点)を過ぎて、ヘッドが上昇に転じた瞬間にボールを捉えることが重要になります。逆にアイアンのように上から打ち込むと、ボールが吹き上がるだけのミスショットになってしまうため注意が必要です。
ボールを置く位置
ドライバーを打つときにボールを置く位置は、「左脇の直線上」または「左の足のかかとの延長線上」が基本です。
これは、先ほど説明した「アッパーブロー」で打つのに最も適していて、毎回同じように打ちやすい位置だからです。
スイングの円軌道の最下点(一番低い位置)は、一般的に体の中心あたりに来るため、ボールを体の真ん中に置くとアイアンと同じ「ダウンブロー」の軌道で打つことになり、ドライバーの性能を引き出せなくなってしまいます。
ドライバーは最下点を過ぎて「ヘッドが上がり始める位置」でボールを捉えたいクラブです。そのため、最下点である体の中心よりも、ターゲット側(打ちたい方向側)にボールを置く必要があります。
位置は前すぎても後ろすぎてもミスの原因になります。なので、基本を参考にして適切な位置を決め、その位置を目安にしましょう。そうすることで、スイングの修正も効きやすくなり、ショットの安定性も高まります。
ドライバーの打ち方②正しいアドレスの作り方を理解する
ドライバーの特性に合わせて、アドレス(バックスイングを取る前の構え方)も整える必要があります。
ここでその各ポイントについて見ていきましょう。
スタンス
ドライバーを構える際のスタンス(足の幅)は、ご自身の肩幅よりも「1〜1.5足分」ほど広く取ります。
ドライバーは全クラブの中で最も長く、遠心力も大きくなるため、スイング中に体がブレないようにどっしりとした土台を作る必要があります。
もしスタンスが狭いと、スイングの軸が不安定になり、パワーを効率よくボールに伝えられません。アイアンよりも広いスタンスで構えることで下半身が安定し、ヘッドスピードが上がっても体がブレることなく、再現性の高いスイングが可能になります。
体重配分
アドレスした際の体重は、「右足に6割、左足に4割」の配分で、やや後ろの足に重心を置くようにしましょう。あらかじめ右足に体重をかけておくことで、クラブを下から上に振り上げるアッパーブローの動きがスムーズに行えるようになります。
体重が均等(右足に5割、左足に5割)だと、体がターゲット方向に突っ込みやすくなり、クラブが上から入る軌道になってしまいます。対して、アドレスの段階で少しだけ右足に体重を乗せておくと、体は突っ込みにくくなり、クラブは下から入る軌道になります。バックスイング(アドレスの後、ゴルフクラブを最も高い位置に持っていくまでの動作)もしやすくなるので、余計な力も入りません。理想的なアッパー軌道を描く準備が自然と整います。
グリップ
グリップ(クラブの握り方)は、利き手と反対の手はややしっかりと握り、利き手は添えるように優しく握るのがポイントです。ドライバーショットで最も多いミス原因の一つである「力み」を防ぎ、クラブヘッドをしなやかに走らせやすくなります。
特に力に自信のない女性は、飛ばそうとして無意識に利き手に力が入ってしまいがちです。利き手に力が入ると「手打ち」になり、スイング軌道が乱れてスライスの原因になります。クラブを支えるのは反対の手、方向性を決めるのは利き手と役割分担してみましょう。ヘッドがスムーズに走り、結果的に飛距離がアップします。
前傾角度
ドライバーは最も長いクラブのため、前傾角度はほかのクラブよりも浅くなります。下がった腕が地面と垂直になっている状態のとき、グリップエンドがおへそからわずかに左あたりを指している形が目安です。
構えたときに、グリップと身体の間は拳一個分の距離を保つようにしましょう。
逆K字型
「逆K字」を意識して構えましょう。
これは、体の正面(へそ側)から見たときに、体全体がアルファベットのKを裏返したように見える形のことです。(左打ちの場合は通常の「K」の字)
具体的には、背骨(体の軸)を少し右側に傾けます。そうすると、左腕と左脚が真っ直ぐ直線上に並んで、右腕と右脚が「くの字」になった形になるはずです。
この形を作ることで、意識しなくても自然とアッパーブローで振り抜ける理想的な体勢になります。
ボールを左足寄りに置くと、自然と右肩が左肩より少し下がります。このとき、無理に体をまっすぐにしようとせず、その自然な傾きを活かして構えるのが正解です。背骨がターゲット方向と逆に傾くことで、頭の位置がボールよりも右側にキープされ、インパクト(打球の瞬間)で体が突っ込む動きを防ぎ、クラブが下から入るスペースを生み出してくれます。
ドライバーの打ち方③力まずヘッドを走らせるスイングを行う
ドライバーショットはどうしても、「飛ばしたい」という意識が働いて力みやすくなります。
以下のポイントを押さえ、力まずヘッドを走らせるスイングを手に入れましょう。
バックスイング
バックスイングの始動は「ゆっくり、大きく」を心がけてください。
スイングのアーク(クラブヘッドが描く円弧)を大きくすることで、ヘッドが加速するための助走距離を最大限に確保し、生み出すエネルギーを大きくすることができます。
急いでクラブを上げると、手先だけでひょいと上げる「手打ち」になり、アークが小さくなってパワーが溜まりません。クラブヘッドを、ターゲット(打ちたい方向)とは反対の方向に「できるだけ遠くへ」持っていくイメージで始動してみましょう。ジェットコースターが一番高いところからゆっくりスタートするように、スイングも始動をゆっくりすることで、トップまでの軌道が安定し、大きな遠心力を生み出す準備ができます。
切り返し
バックスイングから前へのスイングへとヘッドを切り返す瞬間、クラブを一番上まで上げたトップの位置で、「一瞬の間(ま)」を作る意識を持ちましょう。
この「間」こそが、上半身と下半身の捻転差(ねじれ)を最大にし、溜めたパワーを解放してヘッドを走らせるための「タメ」になります。
プロのスイングがゆったり見えるのは、この「間」がしっかり取れているからです。バックスイングで体が回りきった直後に、焦ってダウンスイングに入ると、体と腕が一緒に動いてしまい、手打ちになってヘッドは走りません。
コツとしては、トップで一呼吸おくイメージを持つと良いです。下半身から切り返す時間が生まれ、しなったシャフトが元に戻ろうとする力を最大限に活かせます。
インパクト
ボールを叩きにいくのではなく、ボールはあくまで「スイングの通過点」と考え、フィニッシュまで一気に振り抜きましょう。
ヘッドスピードが最大になるのは、インパクトの瞬間ではなく、その少し先(フォロースルー)です。ボールに当てて終わり、という意識では、一番加速したいポイントで無意識にブレーキをかけてしまいます。
ボールの行方を気にせず、ターゲットに向かってクラブヘッドを放り投げるようなイメージで振り抜きましょう。そうすることで自然とフォロースルーが大きくなり、インパクトゾーンでヘッドが加速し続け、ボールに強い力が伝わります。
ドライバーがうまくなる練習法3選
ここまでの内容をしっかりと理解しても、それを身体に覚えさせなければ、なかなか上達にはつながりません。
ここで明日から試せる練習法を3つ伝えますので、ぜひ参考にしてみてください。
軽いものと重いものを交互に振る練習
軽量な素振り用の棒を振ったり、クラブを逆さに持って素振りをしたりした後、通常通りにドライバーを振る練習は、ヘッドスピードを上げる感覚を体に覚えさせるのに非常に効果的です。
これは軽いものを速く振った直後に重いものを振ったとき、脳が軽いものを振ったときの速さを重いもので再現しようとする錯覚を利用しています。
この錯覚が起きると、重量の差で自然とヘッドが遅れてタメができます。無意識のうちに力みに頼らない理想的な体の使い方になるので、それを繰り返して身につけるのが目的です。
具体的な例としては、次のようなものです。
- まず軽量な素振り用の棒や逆さに持ったドライバーなど、重量が軽いものをビュンと鋭い音が鳴るように3回素振りする。
- すぐにドライバーを持ち直し、先ほどの「速さ」を思い出しながら3回素振りする。
- 最後に実際にボールを打ってみる。
このセットを繰り返すことで、無駄な力みが抜け、ヘッドを効率よく加速させるスイングが身につきます。
ハーフショットドリル
振り幅を腰から腰まで(ビジネスゾーン)に抑えた「ハーフショット」を繰り返す「ハーフショットドリル」も、ボールを芯で捉える正確なインパクトが身につくためおすすめです。
小さな振り幅で練習することで、手打ちなどの悪いクセを防ぎ、体とクラブが一体となって動く「再現性の高いスイング」の土台を固めることができます。
具体的な手順の例は、以下の通りです。
- まずスタンスを肩幅くらいに少し狭めて構え、バックスイングを腰の高さまで上げる。
- そこからフィニッシュも腰の高さで止めるイメージで、ゆっくりとボールを打つ。
この練習の目的は飛距離ではありません。「パンッ」と乾いた良い音で、ボールがまっすぐ飛ぶことに集中してください。この小さなスイングで毎回芯に当たる感覚がわかれば、振り幅を大きくしてもミスの確率が劇的に減ります。
ストレート〜ドローボールを打つ練習
スライスにお悩みの方は、意図的にストレート〜ドロー(真っ直ぐから少し左に曲がる打球)になるようなボールを打つ練習をしてみましょう。
スライスの主な原因は、クラブが外側から内側へ下りる「アウトサイド・イン」軌道です。ストレート〜ドローになるようなボールを打つには、その真逆の「インサイド・アウト」軌道で振る必要があるため、意識することでスイング軌道を矯正できます。
具体的な方法としては、次のようなものがあります。
- フェース(クラブヘッドの打つ面)をフックの方向(右打ちであれば左、左打ちであれば右)に30度ほど傾けて打つ。フックするのであれば少しずつ角度を小さくして曲がり方を調整していく。
- 普段通りに置いたボールの左右に1つずつ、クラブが通る間隔でボールを置き、真ん中のボールを取り除いた後、2つのボールの間を通すように素振りする。
繰り返すうちに、クラブが体の内側から下りてくるようになるので、スライスが減り、飛距離の出る強い球が打てるようになります。
まとめ
ドライバーは、アイアンとの違いを理解し、正しいアドレスを意識すると、力まずとも自然に遠くへ飛ぶようになります。
本記事でご紹介したアドレスの作り方や練習法を一つひとつ試していけば、あなたのドライバーショットは見違えるはずです。
なお、もし難しい、アドバイスが欲しいと思うことがあれば、遠慮せずゴルフスクールなどで、コーチに相談してみることをおすすめします。客観的な視点と適切な指導があると、悩んでいた部分を解決しやすくなります。気になる方は検討してみましょう。
正しい知識を持って練習を続ければ、ドライバーは必ず上達します。そして、ドライバーが思い通りに飛ぶようになったとき、あなたのゴルフはもっと、ずっと楽しいものになるはずです。