COLUMN
ゴルフ初心者が身につけたい上達コラム
ゴルフはどこに筋肉がつく?必要な筋肉・鍛えてはいけない筋肉を解説
スタイルアップ・筋力増強など健康目的も兼ねてゴルフを続けていらっしゃる方も多いかと思いますが、ゴルフが実際どんな筋肉に効果的なのかご存知でしょうか?
ゴルフは体を回転させる動きをメインとしたスポーツですので、体幹や大きな筋肉を鍛えたい方にはぴったりです。
本記事ではゴルフでつく筋肉について、また反対に鍛えてはいけない部位について解説します。ゴルフ上達におすすめの筋トレもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
【目次】
1.ゴルフでつく筋肉①インナーマッスル
腹横筋
腸腰筋
多裂筋
回旋筋腱板
骨盤底筋
2.ゴルフでつく筋肉②回旋運動を支える筋肉
腹斜筋
背筋(広背筋)
3.ゴルフでつく筋肉③腕、太ももの筋肉
上腕三頭筋
大腿四頭筋
ハムストリングス
4.ゴルフで鍛えすぎてはいけない筋肉
胸筋
腕の筋肉
5.ゴルフでおすすめの筋トレ
6.まとめ
1.ゴルフでつく筋肉①インナーマッスル
ゴルフではスイング動作時にインナーマッスル、すなわち体の奥にある全身を支える軸となる小さい筋肉が鍛えられます。
立命館大の研究では「ゴルフ熟練者とゴルフ未経験者を比較すると熟練者の体幹筋量が大きい傾向になる」という結果が出ています。ゴルフを日常的にプレイしている人はそうでない人よりもインナーマッスルが強くなると言えるでしょう。
インナーマッスルを鍛えることで普段の生活でも怪我を防止できるほか、骨盤の位置が整ってスタイルがよく見える、代謝が上がって痩せやすい体になるなどのメリットがあります。ゴルフではスイング姿勢を安定させるなどの効果が期待できます。
積極的にインナーマッスルを鍛えたいときは以下のように部位を意識するのがポイントです。
腹横筋
腹横筋とは、お腹の内側の最も奥にある深層の筋肉です。
腹横筋は上半身を安定させるのに必要な筋肉で、しっかり鍛えるとスイング時に安定して体を回転させられるようになり、腰痛予防にもつながります。
腸腰筋
腸腰筋は、上半身と下半身をつなぐインナーマッスルで、「大腰筋」「小腰筋」「腸骨筋」という三つの筋肉から構成されています。腰から太ももの内側にかけて付着している筋肉で、姿勢維持や太ももを持ち上げる働きをしています。
デスクワークなどで長時間座った状態が長い方は腸腰筋が硬くなり、猫背になって怪我しやすくなるため注意が必要です。ゴルフ前は怪我防止のためにストレッチをしておくとよいでしょう。
多裂筋
多裂筋は首から腰の脊椎にかけて背骨に沿うように存在するインナーマッスルで、背骨の動きを安定化する働きがあります。
多裂筋はさらに「胸多裂筋」「頸多裂筋」「腰多裂筋」という三つの筋肉に分けられます。正しい姿勢を維持したり、腰や腹部を安定させたり、体幹を使って体を回転させる時などに使われます。
回旋筋腱板
肩甲骨と上腕骨をつなぐインナーマッスルで、「ローテーターカフ」とも呼ばれます。「棘上筋」「棘下筋」「小円筋」「肩甲下筋」という四つの筋肉から構成されており、特に肩甲骨の下についている「肩甲下筋」は球のコントロールを安定させるのに重要です。
回旋筋腱板はスイング時不安定になりがちな肩関節を支えているため、ゴルフで傷めやすい筋肉の一つだといわれています。強い負担をかけ続けると炎症を起こす場合があるため、痛みを感じる場合は十分に注意しましょう。普段の生活で可動域を広げるストレッチを行うのもおすすめです。
骨盤底筋
骨盤底筋は骨盤の底を覆うように広がっている筋肉です。
骨盤底筋の筋力が上がると下半身の軸がぶれにくくなるため、安定したスイングにつながります。
2.ゴルフでつく筋肉②回旋運動を支える筋肉
ゴルフは体を回す運き、つまり回旋運動をたくさん行うスポーツです。インナーマッスルのほか、スイング時の回旋運動に必要な筋肉が自然についていきます。
腹斜筋
腹斜筋は脇腹にある筋肉で、一般的にはくびれを作りたいときに鍛える筋肉です。スイング時に一番使う筋肉で、ゴルフをした翌日にお腹周りが筋肉痛になりやすいのはこの腹斜筋が鍛えられているためです。
腹斜筋は日常的な動作で鍛える機会があまりない筋肉ですが、ゴルフでは頻繁に使われます。そのためゴルフはくびれを作りたい女性の方にぴったりのスポーツだと言えるでしょう。
上達を目指す方は積極的に腹斜筋を鍛えることで体幹が安定し、スイングなどの動作をスムーズに行えるようになります。
また、左右どちらの腹斜筋が筋肉痛になったかでフォームの良し悪しを判断することもできます。ゴルフは基本的に左半身が全身の軸になるため、左側の腹斜筋が筋肉痛になっている場合は正しいスイングができているといえます。
反対に右側の脇腹が筋肉痛になっている場合は体の軸が右に寄っている可能性があるため、一度スイングを見直すとよいでしょう。
背筋(広背筋)
背筋は背中にある筋肉の総称で、ゴルフでは特に一番大きい筋肉である広背筋が鍛えられます。
背筋は体の回転やスイングの動作をサポートする役割を担っている大切な筋肉なので、ゴルフ上達を目指す方はぜひ鍛えてみましょう。
ゴルフと広背筋の関係についてはゴルフは「背中で打つ」?広背筋をしなやかに鍛えてフォームを改善するもご参照ください。
ただし普通にやっている程度では筋肉痛になるほど酷使することはほぼなく、ゴルフ後に筋肉痛のような痛みがある場合は筋肉の柔軟性に問題がある可能性も疑われます。
肩甲骨や肩関節の柔軟性が低いと、スイングをするたびに背中の筋肉を傷つけて腰痛の原因になってしまう可能性もあるので、特にスイング慣れしていない初心者の方は注意しましょう。正しいフォームを窮屈に感じて無意識に背筋を丸めないよう意識することが重要です。
3.ゴルフでつく筋肉③腕、太ももの筋肉
その他、ゴルフではスイングを支える腕の筋肉や太ももの筋肉が鍛えられます。
上腕三頭筋
上腕三頭筋は二の腕の裏側にある筋肉で、腕を曲げたり伸ばしたりする際に必要です。上腕三頭筋はスイングで腕を前に伸ばすときに使う筋肉であり、普段から力がかかって筋肉痛になりやすい傾向にあります。
ちなみに二の腕の表側、力こぶの部分(上腕二頭筋)が筋肉痛になる場合は手打ちになっている可能性が高いため、スイングを改善した方がよいでしょう。
大腿四頭筋
大腿四頭筋は太ももの前面にある筋肉で、スタンスの安定性を保ち下半身の動きをサポートする役割を持っています。ゴルフにおいては腹斜筋と連動し、腰で打つ力を生み出します。
また、積極的に鍛えることで飛距離アップや正確性向上にもつながります。
ハムストリングス
ハムストリングスは「大腿二頭筋」「半膜様筋」「半腱様筋」から構成される太ももの表側の筋肉です。スイング時に体全体を支える役割を持っているため、初心者でなくとも筋肉痛を感じやすい部位です。
普段の生活でハムストリングスを鍛えることで安定性が増すほか、ストレッチなどで柔軟性を上げることで怪我防止にもつながります。
4.ゴルフで鍛えすぎてはいけない筋肉
ここまで紹介した筋肉を積極的につけていくことで飛距離アップなどゴルフでのパフォーマンス向上につながります。しかし不要な筋肉をつけすぎてしまうと、体が重くなってしまいスイングに支障をきたしてしまうこともあるため注意が必要です。
「普段あまり運動しない」という方はそこまで気にする必要はありませんが、普段鍛えるのが好きな方はむやみに筋肉をつけすぎないよう気を付けましょう。ゴルフに効果がある筋肉を中心にバランスよく筋トレしていくことをおすすめします。
胸筋
胸周りが発達しすぎるとスイングするときに胸筋が邪魔になり、スムーズな動きができなくなります。少し運動する程度なら鍛えすぎることはないかと思いますが、筋トレなどで体を鍛えるのが好きな方は胸筋を鍛えすぎないよう意識した方がいいかもしれません。
腕の筋肉
普段運動しない人はゴルフを始めると自然に上腕三頭筋などの筋肉がついていきます。ゴルフをするうえで自然に筋力がついてくる分には構いませんが、ゴルフは本来腕力ではなく体全体の力を使うスポーツですので積極的に鍛える必要はないでしょう。
必要以上に鍛えると動きが制限され、かえってスイングしにくくなるため注意してください。
5.ゴルフでおすすめの筋トレ
ゴルフで飛距離アップ、コントロール力アップなど上達を狙う場合は筋トレで鍛えるのも効果的です。腹筋、背筋、下半身の筋肉に分けてそれぞれトレーニングをするのがおすすめです。
腹筋を鍛えるのにおすすめの筋肉:バイシクルクランチ
背筋を鍛えるのにおすすめの筋肉:バックエクステンション
下半身を鍛えるのにおすすめの筋肉:スクワット
自宅でできる筋トレ、ジムで効果的な筋トレなど、ゴルフにおすすめの筋トレについて詳しくはゴルフ上達には筋トレが効果的?初心者向けおすすめトレーニングを解説でご説明しています。興味のある方はぜひご参照ください。
6.まとめ
ゴルフはスイング時に全身を使うため、インナーマッスルをはじめとした全身の筋肉を鍛えるのに効果的です。普段の練習回数が多い方は健康維持やスタイルアップにもつながります。
ゴルフをもっと上達させたい、という方は回旋運動時に使う筋肉を意識してトレーニングをしてみると良いでしょう。鍛えたい筋肉を意識してトレーニングに臨むことでより効果的に筋力をつけることができます。